農業大学校での研修

こんにちは、とらパパです。

昨日から3泊4日で本別町にある農業大学校で、農家を目指す方向けの経営研修を受けています。コロナの影響があり、例年よりも人数を減らしての実施のようです。

果樹、乳牛、肉牛、野菜と目指す方向性は様々で面白いです。平取町からは私を含め3名が参加しており、一番大きい勢力です(笑)。

平取町から本別町に向かう途中に通った日勝峠。

十勝平野が良く見えました

途中に通った鹿追で
農業大学校の構内

本日までの研修で印象に残ったこと、これから就農を目指す方に参考になりそうなことを備忘録として残したいと思います。

①農地制度の基本について

就農において、農地は最重要項目の一つですが、農地に関しては法律が様々あって理解するのは簡単ではありません…。ですので、最低限これは押さえて、今後の農地取得の議論についていけるようにしましょう・・・という内容です。

・農家の高齢化および担い手は減少傾向

65歳以上の農家は北海道では44%、全国では70%。後継者がいない農家は70%(驚きです)。

・令和5年度は農地制度は大改定となる

担い手不足の現状ではあるが、残念ながら現在は土地が余っている状況ではない。一層進む農家の高齢化、離農に歯止めをかけるべく令和5年度以降は、国も土地に関して本腰を入れた施策を打つ模様。

・農地の貸借は許可制

農地を賃貸する場合は市町村にある農業委員会に許可を得る必要がある

・農地制度は農地法だけではない。

農業経営基盤強化促進法(農用地利用集積計画、利用集積とも呼ばれる)、農地中間管理事業の推進に関する法律(農地利用配分計画、農地バンク法とも呼ばれる)などある。一番使われるのは「利用集積」。

・農地を購入するか、賃貸するかはよく考えたほうがいい

固定資産税、利子などの関係で、賃料が土地代の5%だとすると、買った場合に元が取れるのは43年後になる。なので借りたほうが良い場合がある。

但し、自治体によっては就農にあたって購入の条件が決まっているところもある。

・農地を買う、借りるための要件

与えられる土地は全部使うこと、年間150日以上は農作業(フィールドワーク)に従事すること、2ha以上の面積を使用すること(トマトのハウス栽培など集約的作物は除外される)、又貸し禁止など。

・土地購入の際には、土地保有合理化事業とスーパーL資金の組み合わせで

土地購入にあたって北海道農業公社が売り手から買取。就農者はその土地を公社から5年間、土地代の2%で借りる。5年後に購入となるが、その時に2%のうち1%はキックバックされる。購入時の資金はスーパーL資金(通称L資金。5年間無利子)を活用したほうがいい。

・農水省および経産省の補助事業に関する概算要求(決定)は調べる癖をつける

農業次世代人材投資資金事業(準備型、経営開始型)は来年度から大幅に変更となる。それ以外にもハウスの増設、農機具購入、後作で新しい作物に挑戦するなどの際には、国の補助事業に該当することが多いので、よく見ておくこと。問い合わせは、農水省および経産省に直接した方が良い。

これらの補助事業は国から各自治体にアピールしてくることはない。農家が自分で勉強して、使えるものは使って生き残ることを考えるべき。

・就農前の農家研修は何のために必要なの?

研修しなければ農家になれない、という訳ではない。研修は技術習得のためだけではなく、地域や人になじむための助走期間。新規就農者が考えるよりも地元の人は新しい人を良く見ている。地域の人と信頼関係を作ることが円満な就農につながる。

②北海道農業・農村の現状と課題

特別驚くことはありませんでしたが、興味深かったのは以下。

・就農人数

北海道は179市町村あるが、毎年就農する人は各市町村平均で2-3人(募集していない市町村もあり)。また離農する農家の数の方が多い。北海道の農家の数は30年で約1/3になった。

・米の生産および消費

米の生産量は全国2位。北海道米の道内での消費率は86-87%。ひと昔前より道産米はおいしさが向上しており、道内での消費が拡大している。

③事例から学ぶ農業経営の始め方

実際の事例から、就農の動機、事業計画、5年後の姿、うまくいったorうまくいかなかった理由を分析。なかなか面白い内容でした。

農業経営をうまく行うためには以下を押さえること。

就農の動機を明確にする

・・・農業をやりたい目的は何か。目指す経営の姿をできるだけ具体的に描いておく(売上、利益)

栽培品目、栽培方法を選定する

・・・就農の動機、就農地、需要の有無、経験、地元の支援を受けられるかを踏まえる

家族の理解を得る

・・・都会から農村への転居などから生活環境の変化を伴うため、事前に家族の理解、協力を得ることは必須

十分な研修を受ける

・・・生産物の品質確保は農業の基本。技術習得のためには研修が必要。それだけでなく、販売、簿記記帳の研修(勉強)も必要

協力者との関係を作る

・・・技術支援してくれる人、仲間同士の情報交換ができる環境づくり。身近にいない場合はSNSを通じてというのも選択肢。

自己資金を準備する

・・・経営開始にあたっては多額の費用が必要だが、全てを借入にすると経営の重荷になる。また不測の事態への対応に自己資金はできるだけ多い方が良い。

事業計画を作成する

・・・経営開始にあたり、売上、利益、経営規模など明確に目標設定する。具体的かつ現実的に。事業計画は他人から与えられるものではないので、自分の言葉で説明できるものにする。作成したら協力者や関係機関と共有し、理解を得る。

農地を確保する

農業経営開始

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