就農後のお金の話 

こんばんは、とらパパです。

今朝の気温は4℃とだいぶ下がってきました。一方、日中は20℃ほどまで上がり、ハウスの中はもっと暑くなってくるので、今でも空調服は必須です。

これからは日の出、日暮れがさらに早くなり、研修も最終盤といったところです。

さて、今回は平取町で就農しトマト農家として自立すると収入はどうなるのか、という点を私が調べた範囲で記載したいと思います。お金に関することは就農を目指す上で最重要検討項目の一つと思います。

といいつつ、最初にお断りしておきたいのですが、収入に関しては以下の点でいくら稼げますという保証はできません。

・トマトを始め農作物は市況(天候や他の産地の状況などの影響)で価格が変わる

・会社員と違い自営業であるため、やり方次第で差が出る

そのため、新規就農者が目標とすべきなのはコントロールできない売上金額ではなく、どれだけ獲れるかという「収量」とすべきと言われています。

売上は市況に左右されますが、収量はそうした影響を受けにくいためです。

上記を踏まえた上で、そうは言っても収支に関して何らかのモデルがないと困ると思いますので、私の方でざっくり作ってみました。

<前提条件>

・耕作面積は平取町で就農する場合のスタートとなる1,200坪とします

・農業に関わる全ての経費は売上の6割と7割の2つのケースとします

・経費の中には最初に購入またはリースするハウスや農機具の返済額、軽トラ・肥料など営農にかかわるすべての費用を含みます

<補足>

就農にあたってハウスを建てたり、トラクターなどの農機具を購入する必要があります。

全てを一から揃えると、およそ5千万から6千万の費用がかかります。これに国、道、町からの補助金があり、およそ半額から6割ほどの負担になります。補助金がどれだけ当たるかは毎年違うので、明確には言えないそうです。

これは借金となり、7-10年かけて毎年返済します。

よほど預貯金がある方なら別ですが、これだけ聞くと不安になりますよね。約3-4千万円の借金をちゃんと返せるのかと…。もし返せると聞いても、何か悪い宗教に引っかかっているのではないかと…。

この点は安心して頂きたいのですが、トマトの新規就農者で返済できずに離農した・・・というケースは平取町ではないとのことです。

むしろ皆さん返済しつつ、家を建て、子供を育て普通に生活しています。

前置きが長いので、ひとまず表の方を…。

<ケース①:経費6割>

坪単価¥10,000¥12,000¥14,000¥16,000¥18,000¥20,000
売上:1,200坪ベース¥12,000,000¥14,400,000¥16,800,000¥19,200,000¥21,600,000¥24,000,000
経費:6割¥7,200,000¥8,640,000¥10,080,000¥11,520,000¥12,960,000¥14,400,000
所得¥4,800,000¥5,760,000¥6,720,000¥7,680,000¥8,640,000¥9,600,000
必要最低限の支出¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640
残り¥2,621,360¥3,581,360¥4,541,360¥5,501,360¥6,461,360¥7,421,360

<ケース②:経費7割>

坪単価¥10,000¥12,000¥14,000¥16,000¥18,000¥20,000
売上:1,200坪ベース¥12,000,000¥14,400,000¥16,800,000¥19,200,000¥21,600,000¥24,000,000
経費:7割¥8,400,000¥10,080,000¥11,760,000¥13,440,000¥15,120,000¥16,800,000
所得¥3,600,000¥4,320,000¥5,040,000¥5,760,000¥6,480,000¥7,200,000
必要最低限の支出¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640¥2,178,640
残り¥1,421,360¥2,141,360¥2,861,360¥3,581,360¥4,301,360¥5,021,360

<必要最低限の支出の内訳>

支出項目年間支出
国民年金保険料(2人)¥398,640
国民健康保険¥700,000
家賃(2万円/月)¥240,000
光熱費(2万円/月)¥240,000
食費(5万円/月)¥600,000
¥2,178,640

・国民健康保険の支払額は今一つ分からず、札幌あたりの情報を参考にしました

・家賃は平取町の研修住宅に住むことをベースにしています

・光熱費は電気、水道、ガス、灯油代などの年間額としていますが、冬を越していない私たちですので計算が甘いかもしれません

・食費も各家庭で違うと思いますがご参考まで

<説明>

※本内容は実際の細かい固定費、変動費などは考えず、かなり単純化しています。また実際は個人差がありますのであくまで参考です。

・収入の計算は坪当たりの単価をベースとしています。平取町に限らずと思いますが、農家の皆さんは収量 ÷ 坪数で坪あたりの収量を、売上 ÷ 坪数でハウスの坪あたりいくら稼いでいるかを結果として見ています。

・繰り返しになりますが、坪当りの単価は出来や市況に左右されます。そんな中で新規就農者はシーズンを通して結果的に15,000円いければいいね・・・といったところのようです。

・平取町の平均は12,000円~14,000円の間のようですが、新規就農者の成績は良く、15,000円は十分達成可能とのことです。

・正直なところ、坪単価10,000円ではとても生活できる気がしませんが、何か予期せぬ大トラブルが発生した場合にはこうしたこともあり得ると思います。

・経費は農家によって考え方が違いますが、かかってもこのくらいまでだろうという7割を最大としています。

・初期投資は、毎年300万円前後返済となりますが、7-10年で完済しますのでその後の収入は増えます。ただし、ハウスの修繕費用も少額ですが毎年かかりますので、ゼロになるという訳ではありません。

最後に。

所得から必要最低限の支出を引いた残りの金額が自由となるお金ですが、いかがでしょうか。

現在会社員という方は、この金額は一人で稼げるとか夫婦二人で働けばもっと余裕がある場合もあるかと思います。

それはその通りかと思います。以前、就農の経緯でも触れましたが、今の仕事、生活にある程度満足していれば、敢えて農業の道を選ぶ必要はないでしょう。

そうではなく、農業や田舎での暮らし、平取町の雰囲気などが自分の価値観と合うのであれば選ぶ価値はあるように思います。

農業でとにかく高収入を目指したい・・・というのであれば、生産だけでなく加工・販売などもできる他の産地を目指した方が良いように思います。

私の印象ですが、平取町でのトマト農家という選択肢は農業の中でも収入が安定して手堅い方に入ると思います。

とはいえ、今後どうなるのかは誰も分かりませんし、保証もできません。農家という道を選んだ後は、うまく作ることを追求し続け、産地の競争力を守る・高める努力をすることなのかなと思います。

偉そうに言っている私はまだ農家になっていない研修中の身なんですけどね(笑)。就農をご検討中の方に参考となればと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です