就農を目指すにあたっての経緯③
こんばんは、とらパパです。
ここ数日は曇りが続いたこと、気温があまり高くなかったことから収穫量もやや減って落ち着いた日々でしたが、今日は天気が良かったことから明日の収穫が増えそうです。
管理作業の最中にはシロちゃんも良く遊びに来てくれます。
今日はお昼に用事があって、お隣のむかわ町穂別(ほべつ)町に行ってきました。振内からは片道約25分くらいです。むかわ竜(少し前までは穂別竜だったそうですが…)という恐竜が発見されたことで有名な町です。
小さな町ですが、おしゃれなカフェやレストランが何軒かあり、若い方も農業に関わっている姿をいつも見かけます。今時期は水田がきれいで私たちのお気に入りのエリアの一つです。
この穂別にある「すりりんぐ工房 cafe」というお店でベーグルサンドを頂きました。結構なボリュームがありましたが、とてもおいしかったです。
平取町が残念なのは、ちょっとおしゃれなカフェやパン屋さんがない点です。皆さん、誰かやってくれないかな~と期待されているようなのですが、このような田舎ではそう簡単に現れるはずもなく、ご自分でこだわり始める・・・というパターンが多いそうです。。
先日の就農の経緯の続きになります。次回で最後です。
④経済的な自立性(収入面)
おそらくここが就農を決める最大のウェイトだと思います。
ちょっと話が脱線しますが、私達は社会人になった約15年前に初めて北海道を旅行しました。最初は札幌でしたが、帯広や道東に行くにつれて日本にこんな良いところがあったのかと感動しました。
北海道好きの方はご存知かと思いますが、その時に「なまら蝦夷」や「とほ宿」の存在を知って、こんな旅の情報があるのかとすっかりハマりました。
それから2年に1回くらいのペースで夏、秋から始まり、冬の良さを知るようになりました。特に冬の北海道は観光客が少なくホテル代も安いです。また冬は鳥が見やすいのでバードウォッチングには最適です(この情報は対象が限られますね…)。冬はもちろん寒いですが、それなりの防寒対策をしていけば大丈夫と思います。2回目以降は道央や道東の郊外を回る旅になりました。
家族を養える仕事があれば北海道で暮らしたいな…と考える方は多いと思います。私もその1人でした。
ここから本題に戻りますが、 北海道で希望する場所で家族を養っていけそうな仕事を自分の理想とする生活スタイルで実現できる・・・というのは限られているようでした。
私達でいうと十勝地方の土地が開けた素晴らしい環境で生活ができたら…という憧れがありました。とらママではなく、とらパパの憧れですね。
ただ仕事がなかなかないのです。私達は冷やかし程度に都内で行われた北海道移住のイベントなどにも何度か行きましたが、お話を伺う限り十勝地方のどの自治体もそのような状況でした。
その当時、農業には全くこだわっていませんでしたが、十勝地方での就農は相当ハードルが高く、無理と考えた方が良さそうでした。十勝での農業は北海道の中でも大規模で人気があり、何より土地が高いです。農家の息子or娘、新規でもよほど強いコネがあるor手元資金が潤沢でなければ難しいという印象でした。後日、就農を考え始めたときに北海道農業公社でも同じことを言われました。
酪農家というのも選択肢になります。成功されている酪農家の方は高収入で、収支もとても安定されています。ただ、生き物を相手にする以上休みは少ないようです。私達はこの点からその道は選べませんでした。
その他に紹介されたのは福祉法人での福祉業です。働き方がサラリーマンと変わらず、移住するメリットがあまり感じられなかったので選択肢にはなりませんでした。
また、札幌や帯広などの都市部で働くならば、今までの生活となんら変わりはないので最初から考えていませんでした。
郊外で働けて、まとまった休みが取れ、その間は自分の好きなことに時間が使える。さらに収入も比較的安定していて家族とも時間を多く過ごせて…などと理想ばかりを考えている中で、選択肢として出てきたのが、有名な大都市ではないエリアでの農業でした。
やっと話は農業に戻りますが、2人で会社勤めを継続するなら収入の面では農業より安定と言えると思います。もちろん会社が傾いて潰れることはあるかもしれませんが、一般的に言えば農業をやっていて災害や病気に遭って収入が減る…というリスクの方があると思います。
あと、調べれば分かると思いますが全国的に見て就農しても本業の農業だけで生活していけるケースはそれほど多くありません。つまり全国的には兼業農家の割合が極めて多いことになります。閑散期には出稼ぎという働き方もありかもしれませんが、できれば本業だけで生活したいと思っていました。
また、そもそも「半農半X」を目指すのは選択肢にはなかったのですが、器用な方はできるかもしれません。平取町でトマトをやる場合は、繁忙期は完全にトマトにかかりっきりになるので、同時並行は厳しそうな印象です。トマトが終わったら、別の仕事に従事するのはできそうです。
ただ、平取町で新規就農の先輩農家は冬は休むという方が圧倒的に多いようです。理由は夏があまりに忙しいから冬は休みたい、冬は自分の趣味を中心に生活したいという理由のようです。冬も収入が欲しいという方は寒締めほうれん草を栽培する方もいらっしゃいます。
では、いくら稼いでいくら手元に残るの?というのが一番気になるポイントかと思いますが、各家庭の事情や農家という自営業の特性上、簡単にいくらですよとは本ブログでは伝えにくいので、もしご興味があれば平取町に来られた際などに実績のある農家の方にお聞き頂ければと思います。
正直なところ、平取町の農業支援センターのHPに載っていた収支モデルでは本当にこれで生活できるのかと大変不安にさせられます。ただそれは最低限の数字なので、実際には新規就農の先輩たちはそれよりも稼いでいます。
少し補足しますと、平取町では新規就農は1,200坪からスタートします。これが夫婦二人でできる平均的な広さと言われています。これで実現できるのが支援センターのHPの収支モデルです。ただこれも市況次第で良くも悪かったりもします。あと、普段の生活においては都会と違ってお金を使う機会が減りますので、使うお金は減るとは思います。
1,200坪で慣れてくると少し規模を拡大してハウスの棟数を増やす方が多いそうです。売上は上がりますが、その分の経費もかかります。地元農家の方はこの規模の何倍も管理されていますが、夫婦2人の労働力が基本になる新規就農者ではなかなか大規模路線は難しいとのことです。
自営業ですし、また予期せぬトラブルというのものありますので、いくら稼げるという保証は当然ありませんが、トマトは一発勝負ではなく栽培時期をずらしたり、複数のビニールハウスで栽培しますのでリスクは分散しています。
私が先輩農家の方からお聞きして、また自分で調べてみて分かったのはトマトは他の作物と比べて新規就農でも取り掛かりやすく早めに売上を立てられること(他の作物だと就農して収穫まで2-3年というものもある)、市況の影響を受けますが、単価(売上)が比較的安定していることなどでした。
これらの情報も現時点までのものであり、今後どうなっていくのかは誰も分からないところかと思います。私たちがやっている仕事の多くがAIに取って代わられたり、温暖化が進んで農業は工場で行うのが当たり前に・・・という時代も来るかもしれません。これは農業に限った話ではないとは思います。
以上のことを先輩農家に直接お話を伺ったり、さらに平取町に来て新規就農された方が子育てし、家を建てているのを見てお話の通りなんだなと感じられたのが決め手として大きかったです。
まとまりがなく申し訳ありませんが、お金にかかわることは大きな不安になると思いますので、この点はぜひ実際に平取町に訪れて農家の方に聞いてみてください。
次回に続きます。