昨年の振り返りと今年の抱負①
今年就農2年目になりました、とらパパです。本年も宜しくお願い致します。
今シーズンの冬は12月に入っても暖かい日が続き、年が明けても例年より雪が少ない穏やかな日々が続いています。寒締めほうれん草をやらない農家は完全にお休みで、皆さんお出かけに趣味に自由な時間を過ごしています。
私はというと日中はほうれん草の収穫と出荷をのんびりやりながら、夜は確定申告の準備や撮り溜めた録画や観たかった動画配信を観たり、ときどき昨年の振り返りや外部研修の復習などをして今年やりたいことを整理しているところです。
そういえば今週から振内地区にあるカーリング場でカーリングが始まりました。今シーズン初めてのスキーにも行きました。振内から一番近いスキー場はお隣の日高町にある日高国際スキー場で車で25分くらいです。
さて、本題です。
ちょっと時間が経ってしまいましたが、今年の営農を考える上で少し昨年の振り返りをしておきたいと思います。先輩農家から見ればなんだこんなことか・・・ということばかりではあるのですが、就農して間もない私の視点からということで何卒ご容赦下さい。
1. 環境に慣れる
昨年の私は新しい圃場でのスタートだったので結果はともかくとして、まずは新しい環境に慣れることが最大のテーマでした。
真冬の時期からほぼ休みなく細々と準備を行いつつ、農協の営農担当者、親方、地元・新規就農の先輩に助けられながら無事スタートできました。
トラブルは数多くありましたが幸いにも致命的なものはなく、困ったらアドバイスをもらえる先輩がたくさんいたのが平取町(振内)に就農して本当に良かったと思えた点でした。
日々の仕事において昨年と様変わりしたのが主に道具の配置、農機具の使い方と動かし方、人の動線です。
一昨年と違いハウスの棟数が増え、移動の距離が長くなったことで、この道具は常にNo.4のハウスに置いた方が良い、また防除の時はどのくらいの薬剤を作って、どのくらいの時間で撒くことができるかなど、トライ&エラーで何が良かったか、悪かったか、見直したいポイントがたくさん見えたことが収穫でした。
あと、分かってはいたのですが大変だったのがハウス内外の雑草対策です。私たちの優先順位としてはハウスに接する四方>ハウスの中>その他のエリアで、ハウス周辺の雑草は刈払機や除草剤を含めた早めでこまめな対策を目指しました。
ハウスの入り口や真横で雑草をはやしっぱなしにすると良いことがありません。
雑草についたアブラムシやアザミウマなどの虫がハウス内に入ってきてトマトの品質を落としたり、ハウスの側窓を閉めたいときに閉められないという問題が発生する可能性もあります。
早朝や夕方に少しの時間だけまずはハウス周りを…というのを心掛け何とか間に合った感じですが、管理する面積が広いため初夏以降に生える雑草のスピードになかなか追いつきませんでした。
圃場内は田んぼの畔があったり、必ずしも平らではなくハイテクや大型の草刈機を買えばどうにかなるものでもなさそうです。
理想は家で使用するルンバのようなロボモアと呼ばれる野外で使用する自動草刈機で人がいない夜中に指定したエリアを刈っておいて欲しいのです。
ただ、あるメーカーに聞いたところ現在のロボモアの性能では「芝刈り」はできるのですが本格的な「草刈り」はまだできる能力がないのだそうです。正直言ってここは今後の性能向上に期待したいところです。
実は環境に慣れるというより、私たちはトマト農家の仕事に慣れるというのもまだまだ不十分だったりします。
私たちは昨年トマト栽培に関わって3年目だったのですが、妻と一緒に管理作業を始める際に「芽かき、誘引どうやるんだっけ?」ということからスタートしました。
そこで親方のところで学んだ研修ノートを見ながら「ああ、確かこうやるんだったね」といった具合でまだまだ仕事が身についていません。
シーズンが始まれば少しずつ思い出すと思うのですが、この冬の休みでリセットされたのでまたやり直しです。。
2. しっかりしたトマトの樹を作る
新しい圃場は黙っていても樹が良くできて収穫量も多い、最初の2‐3年は何も心配いらない。私はそう言われてどこか安心していたところがありました。
今まで使われていなかった(休んでいた)土で作る作物はできやすいというのはその通りだと思うのです。
ただ、結果的にはあまり新畑ということを意識せずにトマトの生長点をしっかり確認しながら毎日、水や肥料の量を考えてしっかりやるという基本が大事だと感じました。
トマトの生長点を朝と夕方しっかり確認するというのは私の親方のポリシーで、一昨年と昨年これを意識してある程度感覚として掴めた気がします。
これを定量的にどうかというと、茎の太さや葉の硝酸態窒素量の測定などの判断方法があるのですが、正直そこまで確認する手は回りませんでした。
ここに温度、湿度、飽差、光合成を意識した換気や遮光を行うのが理想です。
私は毎時間LINEでハウス内の温湿度、土壌水分量を通知する設定をしているのですが、これもモニターはするものの効果的に生かせるほどの動きはほとんどできませんでした。
今年も引き続きセンサーなどで状況を把握して、できるかぎりの最適なアクションをとるのを目標にしたいと思います。
今の私の漠然とした不安は連作になっても思い通りの樹を作れるのだろうか・・・ということです。
私たちのような小規模農家のハウス栽培では今年一年作ったらそこは翌年は休ませて・・・ということはできず、基本的に連作になります。
今年は新しい圃場でしたので樹がよくできるというのは当たり前で、ではこの先どうなるか。
いくら良いトマト栽培の技術を取り入れたとしても土のコンディションが悪ければ思い通りには作れないのではと思っています。
いわば健康を損なっている病人に高級フランス料理のフルコースを与えて健康を保てますか?というような状態だと思っています。
昨年から何人かの先輩農家に聞いてヒントをもらいながら、どうしていこうか考えているところです。
3.暑さ対策
いまさら言うまでもないことですが昨年の夏は暑かったですね。。しかし、これが標準になることを見据えて営農していく必要があります。
私が参加しているあるオンライン農家サークルでは昨年の夏をある程度乗り切れたと思う人は暑さ対策ができているので今後自信をを持っていい・・・との意見があったのですが、正直対応できたと言える人がどれくらいいるのかは疑問です。
一方、生意気を言うようで先輩農家に怒られそうですが、上記のような気象が今後続くのであれば私自身を含め暑いからうまくできなかった・・・は今後言い訳にできません。
厳しい現実に対処するためにできうる方法で遮光、遮熱の方法を積極的に実施していかないと安定した収量が見込めない時代に入っているのは間違いないように思います。
ある程度のお金と手間をかけてでもリターンの方が大きいのは確実ですので、どうやるか・・・まぁここが難しいところで私も様々な意見を聞き、部材を買って試そうとしているところです。
もう少しあるのですが、長くなりそうなので次回に続きます。