就農を目指す方に②
こんにちは。就農2年目のとらパパです。
先日、新冠町にある「太陽の森 ディマシオ美術館」に行ってきました。
振内からは約1時間のドライブで行ける場所なのですが、宗教色がありそうななんとなく怪しい雰囲気で今まで行けずにいました。美術館は廃校になった小学校をオークションで買い取った大阪のビジネスマンが再利用した・・・ということだそうです。
展示されている絵は世界観が独特ですが面白かったです。私たち家族もそれなりに楽しんできました。
詳しく知りたい方は以下、日高エリアのウェブマガジン「ハイマグ」の記事をご参照下さい。このウェブマガジンは結構面白いです。https://www.hi-mag.jp/
美術館は昨年グランピングをオープンしたり、庭園を拡大中とのことでこれからも注目したいと思います。
ところで振内から新冠町までいつも裏道を通っていくのですが、ここがなかなか味のある道で結構気に入っています。
決して観光ガイドブックに出ることはありませんが、牧場や川の景色、廃屋の数々…。振内から私が良く行くちょっとした場所は改めて記載したいと思います。
さて、本題です。
前回からの続きで振内(ふれない)町とはどんな町か・・・とテーマを打ったものの、こういう雰囲気の町、こういう人がいるというのは簡単には伝えられそうにありません。
就農を目指すにあたって、平取町では「本町地区」か「振内地区」のいずれかを希望することになります。
希望通りになるかは分かりませんが、私の住む振内地区をいくつかの側面からお話ししたいと思います。
また、お住まいの方でも意見が多数あると思いますので、あくまで私の視点であることをご承知置き下さい。
1.町の概要
ネオフロンティアのホームページにざっくりと書いてありますので、そちらの方が簡潔ですが人口の過疎化が進行中の集落の一つです。
個人的に面白いと思ったのは、1920~1960年代に日本最大のクローム鉱山があり、当時3千を超える人口があったそうです(今は約700人)。
昔から移住者の多い土地柄もあってか、外から来る人には寛容な雰囲気があると言われます(北海道全般に言われることなのかもしれませんが)。
2.生活は不便?
日々の生活に関係してくるところとして、町の中心に小さなスーパー(Aコープ)、コンビニ、レストラン2軒、簡易診療所、郵便局があります。
農業に関することは差し置いて本当にこれだけと言っても過言ではないです。
この話だけ聞くと道外の方、いや平取の本町地区の方からも生活不便じゃないの?と心配されます。
私がよく覚えているのが、横浜から振内に引っ越してきた当日に引っ越しのドライバーの方から都会で暮らしてきた人がこれからこんな田舎で生活できるの?と本気で心配されたことです。
結論から言えば多少の不便はありますが、本当に困るようなことはないというのが実感です。
ちょっと困ったなということはあります。例えば、子供が小さい時はオムツがもうなくなるけど、振内では購入できない(売っていない)とか、診療所に小児科がなかったときは約1時間かけて病院に行く…ということもありました。
ただ、都会で生活していれば日々の通勤の中でいくらでもお店やクリニックの前を通ることがありますが、では毎日買い物、病院に行きますか?という話で、都会のようにその日の気分でふらっと買い物に行くことはできないので、買い物する時は計画的になるということはあるかもしれません。
あと振内にしろ、本町にしろ一般的に田舎に住むということは老後の心配があります。
車がないと生活に支障が出るので、自動車免許を返納してからの生活を想像しづらいです。一方で今から老後のことを心配してもしょうがない…という意見もあります。正直、そこまで考えて就農する人はいないように思います。車を運転しなくとも画期的に便利な未来が待っていてくれればよいのですが…。
私にとっては本町地区、振内地区のどちらに住んだとしても田舎具合は変わらないので、以下に述べていく点で振内地区を希望しました。
3.子供を育てる環境
これは意見が分かれるところです。
田舎や自然環境の豊かなところでのびのびと育てたい…と思って移住を考える人は少なくないと思います。うちもどちらかというとそうです。
一方、過疎化に伴い子供の数が減っているので、学校内、地域の習い事の選択肢は人口の多い地域と比べて圧倒的に少ないです。平取町には高校が一校しかなく、高校から親元を離れる可能性があります。
また、振内でいうと以前から本町地区の中学校と合併の話が出ていたりします。
親として子供にたくさんの選択肢を提示して、その中から子供に合うものや道を選んでいってほしいと思います。
ただ、平取町または振内町に移住することで選択肢が狭まる可能性はあると思います。果たしてそれで良いのか…きっと誰もが考えることで答えのない問いだと思っています。
都会で育ったら無数にある選択肢の全てを試すか?選択肢の少ない振内で育ったら視野の狭い子供になるか?極端な問いですが決してそんなことはなく、どんな環境であれ、子供は育っていきます(そう私は思っています)。
そもそも子供を理由に移住地を決めるのは正しいのでしょうか。
正しいとか間違っているとかではないのを承知であえて私の意見を言わせて頂ければ、就農を目指すきっかけは子供ではなく夫婦2人の思いからのはずで、もちろん子供は大切ですが夫婦お互いの考え、生活も大切です。
極端な話ですが、私は子どもはここから巣立ったら戻ってこないことを想定しています。その上で私たち夫婦が気に入った地域、やりがいを持てる仕事選びをしなければ後で後悔すると考え、移住・就農の決断に至っています。
将来、子どもになぜここに移住したのかを問われた時に自信を持って答えられるようにしたいなと考えたというのもあります。
これが単に脱サラ移住物語だったらそこまで考えることでもないかもしれませんが、農業を職業とする移住ですので農業との向き合い方は妥協できないと思ったのもあります。
子育てに関しては真っ最中で偉そうな事は何一つ言えませんので、このくらいで。。
4.振内に住んでみて
移住4年目の私ですが、移住当初からコロナ禍で多くの事が中止になり、たくさんの人と交流できているかと言うと決してそんなことはありません。ですので、町のことについて多くは語れません。
ただ、もともと移住者で構成されている地域ですので、移住者が特別視されることなく日々のコミュニケーションの中でスムーズに地域になじめると思います。
どこに住んでいても同じだと思いますが、コロナがほぼ終息した今、なんにしても自分から積極的に求めれば返ってくるはずです。個人的には今は仕事(農業)ばかりになっていますが、今後は少しずつ地域への貢献も行っていければと思っています。
次回に続きます。